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1. 分解
オーバーホールはまず最初に、細心の注意を払いながら、全パーツ分解します。 |
2. 洗浄
洗浄ネットに入れられたムーブのパーツは、専用専用の洗浄機で、3段階に及ぶ洗浄のあと乾燥させます。
さらにテンプなどデリケートな部品は、組み立て直前にもベンゼンやアルコールで徹底的に洗浄します。
第一段階で薬品を用いて油分を落とし、続いて超音波によるきめ細かい洗いを実行します。
さらにもう一度洗浄を行って、最後に乾燥させます。
第二段階の超音波洗浄で、きめ細かい泡がやさしく、しっかりと汚れを落とします。
洗浄されたパーツは技術者のところに戻され、最終段階の組み立て作業に移行します。
その際、テンプなどの繊細なパーツは、アルコールとベンゼンでさらに油抜きします。
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3. 組み立て&注油
運針ベースをコントロールするガンギ車の歯先と、それと噛み合うアンクルのツメ石には、油が拡散しないように、特殊な液体を塗布しておきます。
その後、組立を行います。
ヒゲゼンマイを調整し、テンプの中心軸に配してから、組みあがったテンプをムーブメントに装噴します。
摩擦のかかる部分には、オイラーと呼ばれる油差しを使って潤滑油を塗布します。
部位によって異なる油を、最適な量だけ、素早く注油します。
長年の経験に培われた熟練の仕事になります。
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4. ポリッシング&ケーシング
ケースや裏ブタ、風防ベゼル、台座、ケーシングリングなどの外装パーツは、別工程でポリッシングと洗浄がなされたあと、技術者のもとに戻ってきます。
組立が終わったムーブメントと合体して、ようやくオーバーホールの完成です。
分解を終えたケース類や革ベルト、バックルなどは、専用ボックスにしわけされ、ポリッシングへ回されます。
この段階では金属のキズやヨゴレが目立ちます。
高速で回転する布パフでケースなどのSSを磨き上げげ、ポリッシュが終わったら、4層式の洗浄機で油や金属片をしっかり洗い落とします。
薬液の入った70度のお湯から、水道水、純蒸留水を経て、最後にドライクリーニングします。
洗浄と乾燥を済ませたパーツは、検品、ラッピングします。
技術者の所へ戻されたパーツを、組みあがったムーブと合体(ケーシング)し、精度や防水性などの過酷なテストを繰り返し、オーバーホールが終了です。 |
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